Monthly Archives: 3月 2012

セミナー ナノインプリント

5月ナノインプリントセミナー講演予定

5/30に電子ジャーナル主催のElectronic Journal 第1263回 Technical Seminarにおきまして、「モスアイ型反射防止膜の基礎と応用★徹底解説~反射防止膜の各種形成法・大面積化・応用を詳解~」をテーマに講演いたしまします。

詳細は下記ニュースリリースを参照して下さい。
http://www.innox.co.jp/news/2012/news11.html

イノックスで取り扱っておりますモスアイについての量産化技術や効果のメカニズム、用途について解説する予定です。
また、フィルムサンプル等を持参し実際の効果をデモンストレーションすることも企画しております。

ナノインプリント

6th Industrial Symposium on Nanoimprint Lithography

シンガポール国家材料工学研究所(IMRE)主催で5/23(水)にシンガポールで開催される「6th Industrial Symposium on Nanoimprint Lithography」に参加します。今回のシンポジウムは、製品に最も近い市販アプリケーションにフォーカスした内容となっています。イノックスは、シンガポールのナノインプリントコンソーシアム(I.C.O.N)に参画していることもあり講演の機会を頂きました。講演では、大面積金型を使用した量産化のコンセプトや応用可能なアプリケーションについて講演する予定です。

参加の申し込みやお問い合わせは弊社にご連絡いただくか、下記URLからお願いします。
http://www.imre.a-star.edu.sg/events.php?id=B531O538N534

ナノインプリント

モスアイボール解説

 今回はモスアイボールの解説をさせていただきます。

内部にモスアイ構造の付けたフィルムを入れているのですが、写真では分かりにくいかと思います。よく見ると右側半分の方が黒ははっきりと見えています。 
展示会用の展示品でしたので直接触られるのを避ける為にカバーをしています。直接触っても構造が壊れることはありませんが、指紋が付くことで反射防止性能が低下してしまいます。(指紋を取り除くことは可能です。)

カバーを外すと半球面上に2種類のフィルムが貼ってあり、右半分のフィルムには両面にモスアイ構造を入れてあります。

 構造がない方は計算上は約8%が反射し、約92%透過しています。
空気中からフィルムへ光が入る時に急激な屈折率変化(1から1.5)が起こる為に反射が発生します。また、光がフィルムから出る時にも屈折率変化(1.5から1)が起きますのでこの界面でも反射が発生します。
反射率は垂直入射の場合には屈折率から容易に計算することができ、1から1.5もしくは1.5から1の変化の場合には約4%の反射が発生します。(UV樹脂・PETフィルムの屈折率を1.5として簡易的に計算しています。)

一方、モスアイ構造を持つフィルムでは屈折率の変化が構造なしのフィルムとは異なります。
モスアイ構造があることで、屈折率が1から1.5へと徐々に 変化していき急激な屈折率の変化が発生しない為に反射が抑えられます。光(可視光)の波長より小さな構造をモスアイ構造が持っているため起きる現象です。
モスアイ構造の種類にもよりますが、仮に反射率が0.5%に抑えられたとすると両面に構造を付けることで全体で1%になります。

片面のみのモスアイ構造だと3%の差しか生まれないので差がわかりにくくなってしまいます。約7%程の反射率の差が出てくると明らかに見え方が違ってきます。両面モスアイを入れたフィルムの方は正面から見るとフィルムが貼られていないぐらいに視認できなくなります。
こればかりは文章で表現しにくいのですが、実物を見て体験して頂くのが一番かと思います。イノックスに御来社頂くか、セミナー時にご紹介できるかと思いますので是非ともお問い合わせ頂ければと思います。

セミナー ナノインプリント 機能性フィルム

4月機能性フィルム関連セミナー講演予定

4/19に技術情報協会主催「プラスチック加飾技術の最新動向」セミナーにおきまして、「プラスチック加飾に向けた高機能フィルムの開発」をテーマに講演いたしまします。

詳細は下記ニュースリリースを参照して下さい。
http://www.innox.co.jp/news/2012/news09.html

加飾フィルムの観点から従来の機能性フィルム事業で取り扱っておりますハードコートフィルム(成型性・防指紋・印刷性等)について解説する予定です。また、フィルムへの機能性付与として反射防止機能のモスアイ構造等のナノインプリントについても解説する予定です。
また、フィルムサンプル等を持参し実際の効果をデモンストレーションすることも企画しております。

ナノインプリント

Diffuserフィルム解説

先日はプチ展示ブースについて紹介しましたが、Diffuserフィルムの解説が宿題となっていました。二本線と円で光っている部分にDiffuserフィルムを使用しています。元は左下の様な4つのLED光源がDiffuserフィルムによって拡散された結果です。

イノックスのDiffuser構造は、拡散角度をカスタマイズすることができるのが大きな特徴です。
拡散の概略図を下記に図示しました。レーザーの様な指向性の高い光源を当てた場合に図の様に光線が広がって出てきます。この広がりは設定された拡散角度に従って拡散します。設定された拡散角度は表面の構造のみで制御されていますので、高い光線透過率(85%以上)を有するのももう一つの特徴です。

 イノックスのDiffuser構造の拡散のパラメーターは拡散角度(FWHM)としています。FWHMというのは、半値全幅 (full width at half maximum)の略で最大値の1/2となる場合の幅を示す値となります。下図は提供可能な円状配光拡散構造のグラフです。最も拡散光が強い部分を頂点として曲線が描けます。この構造の拡散角度(FWHM)は、最大値の1/2をとって25度になります。

拡散角度のコントロールは均一はない構造にも設計することが可能です。拡散の状態によって、円状拡散・線状拡散・楕円形拡散といった種類に設計可能です。R&D用途の金型・フィルムとして現時点では、円状拡散と線状拡散が提供可能です。


円状拡散構造にレーザーポインターを照射した状態です。フィルムを通過することで円状に拡散されています。グラフでも示した通り拡散角度(FWHM)は25度となります。カスタマイズに関しては1度から70度まで対応することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

線状拡散構造にレーザーポインターを照射した状態です。(右は90度回転させた状態) フィルムを通過することで線状に拡散されています。円状拡散とは異なり縦方向と横方向で拡散角度が異なります。一方を広く拡散させ、もう一方を狭く拡散させることで写真のように拡散されます。拡散角度(FWHM)は広い方が80度、狭い方が1度となります。

これらの構造の金型からフィルムまでをご提供することが可能です。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。