2025年11月5日 – 18:05
— 「自動アライメント」
裸眼3Dフィルムは、スマートフォンの画面に貼り付けるだけで立体的な映像表現が楽しめる新しい体験デバイスです。しかし、最大の“飛び出し感”と“見やすさ”を引き出すには、アライメント(位置合わせ)が欠かせません。
今回は、その設定をシンプルにしてくれる自動アライメント機能を紹介します。
■なぜアライメントが必要なのか?
裸眼3Dフィルムは、画面の画素(サブピクセル)に対して、フィルム側のレンズ構造をぴったり一致させることで、左右目にそれぞれ異なる映像を投影します。
この前提が崩れると……
- ぼやける
- 二重に見える
- 飛び出し量が低くなる
- 長時間視聴が疲れやすい
といった“不完全な3D”に。
実際、フィルム貼付位置が0.1〜0.2mmズレただけでも、画面全体で立体像に影響が出ます。
本来は治具で精密な貼付が可能ですが、人の手作業で寸分違わず…というのはほぼ不可能。
そこで活躍するのが、**アプリ側の補正(=アライメント)**です。
■自動アライメントはどう行う?
最新の自動アライメントは、専用の箱にスマホをセットし、上部に取り付けた鏡を使って画面全体のパターンを読み取ります。
仕組みはとてもシンプル:
- スマホを専用の箱にセット
- アプリ側で自動アライメントを開始
- 鏡越しに表示パターンを読み取り、ズレ量を解析
- レンズ配置に合わせて描画パラメータを自動調整
設定完了までわずか1〜2分。
ユーザーはスマホを置いてボタンを押すだけです。
■自動アライメントはどう行う?
最新の自動アライメントは、専用の箱にスマホをセットし、上部に取り付けた鏡を使って画面全体のパターンを読み取ります。
仕組みはとてもシンプル:
- スマホを専用の箱にセット
- アプリ側で自動アライメントを開始
- 鏡越しに表示パターンを読み取り、ズレ量を解析
- レンズ配置に合わせて描画パラメータを自動調整
設定完了までわずか1〜2分。
ユーザーはスマホを置いてボタンを押すだけです。
■「鏡を使う理由」は?
箱の上部に取り付けた鏡によって、
- 視差パターンを見やすく反射
- アプリが誤差を正確に検知
- レンズと画素の“角度・位置”を解析
この“反射観測”が、短時間で精度の高い調整を可能にします。
■まとめ
裸眼3Dフィルムにおけるアライメントは、
- 光学設計前提の精密なズレ補正
- 人の貼付誤差を吸収
- 端末ごとの差異にも対応
- 立体感と視認性の両立に必須
という“縁の下の力持ち”な存在です。
そして今は、
スマホを箱に入れてボタンを押すだけ。
1〜2分の自動アライメントで、最大の飛び出し体験へ。
2025年10月24日 – 19:32
— 実測メモ:その3(最大“飛び出し量”と演出の影響)
結論
視距離380mmで、“飛び出し量が大きい”コンテンツを再生したところ、約80〜90mmの手前方向(負の視差)を安定して確認。視距離の約21〜24%に相当します。
測定条件(概要)
- 新製品:アイトラッキング対応アプリ+新型フィルム(端末:iPhone 15 Pro)
- 視距離:380mm固定
- コンテンツ:前景が観察者側へ近づく演出、輪郭コントラスト高め
- 計測:表示面を基準に前景の“見かけ位置”を目盛で読取(簡易法)
ポイント
- 最大飛び出し量:約80〜90mm
- 快適域の目安:〜80mmは多くの人で快適、90mmは演出・環境次第で負担増。
- 見やすさ:アイトラッキングにより頭の小さな動きでも二重化しにくい。
2025年10月24日 – 19:03
— 実測メモ:その2(従来品との比較)
要約
第二世代の従来品と新製品(アイトラッキング対応アプリ+新型フィルム)の「飛び出し量(画面手前方向の見かけの距離)」を、視距離を変えて比較しました。結果として、新製品は視域(見える位置の広さ)と最大飛び出し量の双方で優位でした。
測定の概要
条件:同一シーンを表示し、視距離(画面〜目)を変化。各距離で「手前方向にどれだけ出て見えるか」を簡易計測。
端末・フィルム
- 従来品(第二世代裸眼3Dフィルム)+ iPhone SE
- 新製品(アイトラッキング対応)+ iPhone 15 Pro
注意:個人差・室内照明・端末個体差・コンテンツ差などで結果は変わり得ます。ここでは傾向の比較を主眼とします。
結果:視距離と飛び出し量の関係
| 視距離 (mm) | 従来品・飛び出し量 (mm) iPhone SE | 新製品・飛び出し量 (mm) iPhone 15pro |
| 280 | 二重に見えて効果なし | 20 |
| 380 | 20 | 40 |
| 480 | 二重に見えて効果なし | 60 |
- 補足:「二重」はクロストークが増えて立体感が破綻している状態を指します。
読み取りポイント
- 従来品は“当たり距離”が狭い。 380mm付近でのみ有意な飛び出し感(約20mm)が得られ、近すぎ・遠すぎでは二重化しやすい。
- 新製品は距離に応じて飛び出し量が伸びる。 280→380→480mmと距離を離すにつれて、20→40→60mmと素直に増加。設置・姿勢の自由度が高い。
視域(見える位置の広さ)の違い
従来品:上下左右に少し頭を動かすだけで二重化しやすく、3Dを正しく感じられる位置が限定的。
新製品:前面カメラを用いたアイトラッキングで視点に合わせて表示を補正。上下左右の許容範囲が広く、姿勢変化に追従して“自然な飛び出し感”を維持。まるで画面内の物体がこちらを追ってくるような安定感がある。
なぜ差が出るのか(簡潔メモ)
- 視差制御の適応性:新製品は視線位置に合わせてリアルタイムに視差を最適化。
- レン ズ設計の最適化:マイクロレンズ設計・製造精度の向上により、クロストーク低減と視域拡大を両立。
- 表示パイプライン:レンダリング側(アプリ)の最適化で、輝度・コントラストの配分やエッジのにじみを抑制。
実用上のヒント
まずは380mm前後を基準距離に。ここを中心に前後へ調整し、自分の“当たり距離を見つけると安定します。
正面合わせ→徐々に頭を動かす順で確認。新製品は追従するので、最初に正面基準を作るとスムーズ。
環境光を整える(映り込み・逆光を避ける)と二重化がさらに減ります。
まとめ
- 従来品:距離・位置の“当たり”が狭く、少し外れると二重化。
- 新製品:飛び出し量が距離に応じて段階的に伸び、視域が広く体験の一貫性が高い。
- 体験すると小さな差の積み重ねが**“歴然の違い”**として感じられます。
次回予告(その3)
- 「飛び出しの最大量はどこまで行ける?」
- 「演出(コンテンツ)による見え方の差」
- “飛び出し量が大きい動画”での実測も実施。
2025年3月7日 – 17:25
ナノインプリント技術における新たな選択肢として「樹脂モールド」の新製品として取り扱いを始めました。従来の金型に比べ、約半額のコストパフォーマンスを実現しながら、離型性を持ちフレキシブルなモールドによる高精度なインプリント加工が可能な製品です。
ナノインプリントの導入検討やナノ・マイクロ構造の初期検討などに活用頂けるモールドです。
【樹脂モールドの特徴】
優れた離型性能
ナノインプリントでは、硬化後の離型性が重要な課題となります。特に微細なパターンになるほど、金型からの離型時に形状不良が発生しやすくなります。樹脂モールドは、優れた離型性を有しており、より精密で再現性の高い微細構造の転写が可能になります。
フレキシブルなモールド
従来の金型とは異なり、柔軟性のある樹脂モールドならでのフレキシブル性を有します。ガラスなのどの硬質な基材でのインプリントでの離型時にモールドを曲げることが可能となり、離型のし易さが向上します。
優れた高精度性
ナノインプリントに求められる微細な構造も正確に再現可能しています。
【多彩な構造ラインナップ】
当社では、用途に合わせた様々な樹脂型の構造をご用意しております。
- モスアイ構造
独自の模様設計により、構造による反射防止効果を実現。
- MLA(マイクロレンズアレイ)
レンズ構造を取り入れ、集光や拡散効果を最適化。
- 配向拡散構造
分子配向を精密に制御することで、均一な拡散性を実現。
各構造は、お客様のニーズに合わせたカスタマイズも可能です。詳細については、ぜひお問い合わせください。
【製品仕様】
- 最小構造サイズ:0.25μm~9.0μm
- 構造高さ:0.3μm~5.5μm
- モールドサイズ:50mm x 50mm
【お問い合わせ】
製品の詳細、導入のご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。
「樹脂モールド」は、コスト削減と高精度なナノインプリントを両立する革新的な製品です。
今後も最新技術の導入とサービス向上に努め、皆様の製造現場を強力にサポートいたします。ぜひこの機会に、新製品の導入をご検討ください。
2025年3月7日 – 14:23
「金型のコストがネックで試作が進まない…」
そんな声から生まれたのが、モスアイなどの高精度ナノ加工を実現する フレキシブルな樹脂モールド です。
従来の金型と比べて 約半額 というコストメリットに加え、試作や研究開発に適した扱いやすさも兼ね備えています。
モスアイ構造をはじめとする精密加工に最適なこのモールドで、新たな可能性を広げてみませんか?
詳しくはこちら👇
2023年2月10日 – 15:16
従来工法からの改良
レンチキュラーレンズなどの単純な形状からマイクロレンズアレイなどの複雑形状に対応する為に加工方法の改良を行っております。従来では、粗い階段構造からの加工にて構造を得ていましたが、工法の改良により複雑形状にも対応が可能となりました。
新工法の改良①
新工法の導入開発として、知見を積み重ねることで高い精度での設計の再現を再現することができました。再現性の追求と同時に、カスタマイズ設計の自由度を高める取り組みとして、構造高さを増加させることにも取り組み、25µmの限界高さから50µmの限界高さへの改良も行っています。
再現性が高まることで、周期的な歪みが新たな課題となってきました。
新工法の改良②
周期的な歪みは、大きなレンズではレンズ内に複数のスジが入り込むので、課題となっておりました。更なる開発を進めた結果、歪みを解消することが可能となりました。
これらの開発により、設計データにより近い微細構造の作成が可能となっております。
2020年3月2日 – 15:40
カスタマイズ微細構造加工サービスのページを更新しました。

2020年2月25日 – 17:02
◆概要
弊社がこれまで培ってきたナノインプリントとマイクロレンズ関連技術を駆使し、お客様の望むカスタマイズ微細構造を再現する加工サービスです。
初期検討段階での複数の微細構造を金型もしくはフィルムにて再現し、ご評価頂くことで微細構造の選定や最適化に役立てることもできます。
また、構造や光学機能によっては、弊社のこれまで培ってきた知見を用いた設計の提案も可能な場合もございますので、お気軽にご相談ください。
微細構造の再現には、工法の開発によりマイクロレベルで設計された構造のモールド作製が可能となりました。
マイクロレンズアレイやレンチキュラーレンズをはじめ、球面形状から非球面形状レンズやその他のユニークな構造まで幅広い設計に対応が可能です。
⇒下記のお問い合わせフォームからお問い合わせ下さい。
◆ご提供可能なサービス
- カスタマイズ微細構造金型の加工
- 微細構造金型を用いたインプリントフィルムの加工
- 簡易評価方法・装置のご提案
- 光学系設計・シミュレーション(開発中)のご提案
◆基本的な流れ
◆カスタマイズ微細構造金型の加工仕様
- マスター材料:フォトレジスト
- 加工精度:0.5μm
- 構造サイズ:0.8μm~1mm
- 構造高さ:1μm~50μm
- パターン面積:最大200mm x 200mm
- ※構造によって最大サイズは異なります。
- モールド材料:ニッケル、フォトレジスト、樹脂
この他にも希望される構造に合わせてカスタマイズ可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
◆開発事例
マイクロレンズ形状の精度向上
モスアイ構造のシミュレーション
準備中
◆加工例
ライン&スペース
ライン&スペース構造の場合では、0.8µm程度の凹凸構造の作製が可能です。
レンズなどの複雑形状の場合には、より細かい解像度にて作製されます。
①ライン/スペース=0.8µm/0.8µm

②ライン/スペース=1.6µm/1.6µm

③ライン/スペース=3.2µm/3.2µm

④ライン/スペース=10µm/10µm

ドットパターン
①0.6µm ②0.8µm ③1.0μm

マイクロレンズアレイ
底面のないフルパックのマイクロレンズアレイを高精度で再現することが可能です。レンズの形状は任意に設計することも可能で、三角形、四角形、六角形、ランダムにも対応可能です。
四角形MLA


◆設計例
マイクロレンズアレイ
①レンズ形状設計
・四角形配列
・六角形配列
②レンズ配置設計
ランダム性の分布を制御することも可能です。
◆お問い合わせフォーム
2019年11月8日 – 11:19
独自工法の開発により自由な設計の構造の作製が可能となりました。マイクロレンズアレイやレンチキュラーレンズをはじめ、球面形状から非球面形状まで幅広い設計が可能です。
◆パターン形状
球面レンズ:曲率に合わせたパターンを高い再現性にて加工が可能です。
非球面レンズ:数式に変換できる球面形状やCADデータ、XYZ座標データからの加工も承っております。デザインの詳細については、お気軽にお問い合わせください。
凹形状:レンズなどの形状の反転形状である凹形状の加工も可能です。
◆アレイパターン
設計されたレンズ形状を様々な形式で配置することが可能です。
格子状アレイ: 正方形格子や長方形格子などの変更も可能です。
ハニカム状アレイ:六方格子状に配置することも可能で、正六角形に限らず縦横の比率の異なる配置も可能です。
ランダムアレイ:格子状やハニカム状を基にレンズの中心位置をランダムに配置することも可能です。ランダムの分散性のカスタマイズも可能です。
◆仕様
- マスター材料:フォトレジスト
- 構造サイズ:1μm~1mm
- 構造高さ:1μm~30μm
- パターン面積:最大127mm x 127mm ※構造によって最大サイズは異なります。
- モールド材料:ニッケル、フォトレジスト、樹脂
この他にも希望される構造に合わせてカスタマイズ可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
2014年7月7日 – 09:13
【2014/7/11】ナノインプリント講演予定
7月11日に開催予定でしたが、主催社の都合により9月2日に変更となりました。
日 時:2014年9月2日(火)13:30~16:50
受講料:39,800円(テキスト代/喫茶代/消費税含む)
会 場:連合会館(東京・御茶ノ水)/地図
<東京メトロ・千代田線>「新御茶ノ水」駅下車。 B3出口(徒歩0分)
<東京メトロ・丸ノ内線>「淡路町」駅下車。B3出口 (B3出口まで徒歩5分)
<都営地下鉄・新宿線>「小川町」駅下車。B3出口 (B3出口まで徒歩3分)
<JR中央線・総武線>「御茶ノ水」駅下車。 聖橋口(徒歩5分)
定 員:30名
詳 細:http://www.electronicjournal.co.jp/t_seminar/2314.html
本セミナーのマイクロレンズアレイやモスアイ構造などについては、R&D用金型からフィルム転写品のご紹介も可能ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。
