— 実測メモ:その2(従来品との比較)
要約
第二世代の従来品と新製品(アイトラッキング対応アプリ+新型フィルム)の「飛び出し量(画面手前方向の見かけの距離)」を、視距離を変えて比較しました。結果として、新製品は視域(見える位置の広さ)と最大飛び出し量の双方で優位でした。
測定の概要
条件:同一シーンを表示し、視距離(画面〜目)を変化。各距離で「手前方向にどれだけ出て見えるか」を簡易計測。
端末・フィルム
- 従来品(第二世代裸眼3Dフィルム)+ iPhone SE
- 新製品(アイトラッキング対応)+ iPhone 15 Pro
注意:個人差・室内照明・端末個体差・コンテンツ差などで結果は変わり得ます。ここでは傾向の比較を主眼とします。
結果:視距離と飛び出し量の関係
| 視距離 (mm) | 従来品・飛び出し量 (mm) iPhone SE | 新製品・飛び出し量 (mm) iPhone 15pro |
| 280 | 二重に見えて効果なし | 20 |
| 380 | 20 | 40 |
| 480 | 二重に見えて効果なし | 60 |
- 補足:「二重」はクロストークが増えて立体感が破綻している状態を指します。
読み取りポイント
- 従来品は“当たり距離”が狭い。 380mm付近でのみ有意な飛び出し感(約20mm)が得られ、近すぎ・遠すぎでは二重化しやすい。
- 新製品は距離に応じて飛び出し量が伸びる。 280→380→480mmと距離を離すにつれて、20→40→60mmと素直に増加。設置・姿勢の自由度が高い。
視域(見える位置の広さ)の違い
従来品:上下左右に少し頭を動かすだけで二重化しやすく、3Dを正しく感じられる位置が限定的。
新製品:前面カメラを用いたアイトラッキングで視点に合わせて表示を補正。上下左右の許容範囲が広く、姿勢変化に追従して“自然な飛び出し感”を維持。まるで画面内の物体がこちらを追ってくるような安定感がある。
なぜ差が出るのか(簡潔メモ)
- 視差制御の適応性:新製品は視線位置に合わせてリアルタイムに視差を最適化。
- レン ズ設計の最適化:マイクロレンズ設計・製造精度の向上により、クロストーク低減と視域拡大を両立。
- 表示パイプライン:レンダリング側(アプリ)の最適化で、輝度・コントラストの配分やエッジのにじみを抑制。
実用上のヒント
まずは380mm前後を基準距離に。ここを中心に前後へ調整し、自分の“当たり距離を見つけると安定します。
正面合わせ→徐々に頭を動かす順で確認。新製品は追従するので、最初に正面基準を作るとスムーズ。
環境光を整える(映り込み・逆光を避ける)と二重化がさらに減ります。
まとめ
- 従来品:距離・位置の“当たり”が狭く、少し外れると二重化。
- 新製品:飛び出し量が距離に応じて段階的に伸び、視域が広く体験の一貫性が高い。
- 体験すると小さな差の積み重ねが**“歴然の違い”**として感じられます。
次回予告(その3)
- 「飛び出しの最大量はどこまで行ける?」
- 「演出(コンテンツ)による見え方の差」
- “飛び出し量が大きい動画”での実測も実施。